レポート |
本学の卒業生で、長らく横浜市内の小中学校で教育に関わってきた村上雅基先生の講座は、大きく分けて3パート。そもそも学校教育とは何か、その中でも音楽科の教育ではどのようなことが重要視されるか、そして教員採用試験について、終始にわたり実際のエピソードが織り込まれた親しみやすい語り口により進行し、1時間半ほどの講座はあっという間に進みました。資料を豊富に使った丁寧な説明に加え、間に挟み込まれる色々な実体験は、決して昔話ではなく、長年のキャリアを経てこそ分かる、今の教員に求められているもの、また同時に、昔も今も変わらないことを映し出します。
ひょんなきっかけで大学を卒業した春、すぐに教員として着任した中学校での体験を皮切りに、生徒や児童への指導にあらゆる楽しみを覚え、音楽を学んだ経験もあらゆるかたちで生かされていく様子は、教員に少しでも興味がある学生をきっと後押しするものです。一方、日頃の業務やキャリアのステップアップについての具体的な説明、そしてそんな教員を目指す受験生への指導、そしてご自身の面接官としての経験からくる採用試験を受ける際のあらゆるアドバイスも、思わずうなずくものばかり。そして最後には桐朋の学生にこそ送られる熱いメッセージで講座を締めくくりました。